インターネットにどこからでもアクセスできてサクサクと作業が進むのが、当たり前な世の中になりました。しかし誰でもわかることですが、ネットワークに繋がっていなければ、そもそもそれは実現できません。また最近では有線LANから無線LANにシフトするというように、ネットワークの接続環境自体においても技術革新がどんどん進んでいるのです。
このようなネットワークを担当するITエンジニアをネットワークエンジニアと呼びます。仮にシステムを初めて導入するというのであれば、ネットワークを一から設計しなければなりません。専用に開発したシステムを実際に動かすためには、様々な端末をネットワークに上手く組み入れて、正常に動作するように整えなければならないのです。
設計が出来上がったら、それを実際に現場で組み立てなければなりません。設計の段階で詳細に、どんな機器をどこに配置するのかなどを決めてありますが、現場作業では修正を余儀なくされる場合も少なくありません。現場での作業はチームを組んで複数で行うことが多いのですが、予期せぬ事態に陥ったとしてもスケジュール通りに完了させなければなりません。従ってチーム全体としてのスキルと知識を結集して問題解決に当たらなければなりませんし、そのような実務経験を積むことによって、ネットワークエンジニアという仕事を学ぶ他にはないのです。
ネットワークの構築が完成してクライアントが運用を始めてようやく、ネットワークエンジニアの真価が問われることになります。もちろん運用前には入念なテストが行われて、動作に問題がないのは確認済みではあるのですが、あくまで運用は一般のユーザーが行うものです。従って慣れない操作によって、あるいは原因不明により様々な不具合を生じる例があり、システム上明らかにネットワークが関係ないと分かる場合以外には、まずその障害の対応にネットワークエンジニアが当たることになるのです。というのもシステム自体に問題がなくても、それを繋ぐことによって不具合が生じることも少なくないのです。従ってネットワークエンジニアは、運用上のトラブルに対して迅速に原因を究明するために、正常な動作と異常な動作との比較といったところから地道に一つ一つ確認しなければならないため、論理的思考が要求されます。
精密な電子機器を連ねるネットワーク環境においても、やはり故障は発生します。これはいつ発生するものかもわからず、またどこで発生するものかもわかりません。しかし一度故障が発生すれば、出来るだけ早く復旧しなければクライアントの信用を落としかねません。故障部位の特定に経験と勘を要することもさることながら、ネットワークエンジニアには体力勝負という面もあるのです。